IN-1700
フィルムの寸法安定、熱歪み除去ができる大型装置。熱処理後の平面性維持
塗工方式 | マイクログラビア、ナイフ |
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炉長 | 32m |
ゾーン数 | 8ゾーン |
基材幅 | 1600mm(ナイフ:1300mm) |
従来、熱収縮率低減と平面性の両立は極めて難しい技術領域で ありトレードオフの品質関係であったが、ラボの開発したIN-1700機の新規アニールプロセスでは、200℃、10分間加熱でも1.3%以下の加熱収縮率を得ることが可能であり、平面性を維持しながら、PETフィルムより耐熱性の高いポリエチレンナフタレート(PEN)フィルムと同等の寸法安定性を得ることができます。
また、150℃、30分間の加熱条件では0.04%以下であることを確認しています。
このプロセスを用いることにより、今後、更に寸法安定性の厳しい用途での展開が期待できます。
IN-1700機では、温度・張力・速度(滞留時間)のパラメータを調整することでアニール処理を行います。
この三要素を調整し熱収縮率と平面性の最適化を図ります。
※実機加工前のカットサンプルシミュレーションにてアニール条件探索や熱収縮率低減の事前確認も可能です。
またIN-1700機のもう1つの特徴として低張力搬送が可能です。
大村研究所所有の装置で唯一低張力搬送をさせることができます。
【実績】
25μm・1500mm幅を張力0.5㎏、速度20m/minで搬送
75μm・1200mm幅を張力0.1㎏、速度5.0m/minで搬送
【IN-1700機でできること】
- 薄膜塗工:マイクログラビアコーティング装置
- 巻取部にセラミック電極のコロナ処理機設置
- 検査台にて加工品確認(吊り下げ観察、平面台観察が可能)
- 低速、高速搬送(1.0~100m/min)
この様なニーズにお応えします。
- 高機能プラスチックフィルムの1700mm広幅加工
- 熱歪除去により優れた熱寸法安定性付与
ゼロ熱収縮PENの実績
ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート実績多数 - 熱処理後も良好なフィルム平面性を維持
- ラミネートカールの抑制
- 高精細回路印刷の精度、断線リスクの低減
- 残留溶剤除去
- ITO後結晶化
IN-1700装置の特徴
- 国内でも最大級の広幅熱処理加工装置
- 240℃の加熱炉を利用し30分間のロール熱処理が可能
- 異物除去のためのクリーニングロール装備
- フィルム熱歪除去と物理化学的表面改質を同時に行うことが可能
低熱収縮化処理の検討工程例
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- シート検討
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- 加工条件のシミュレーションテスト実施
- 温度、テンション、滞留時間、原反熱挙動の取位置分析
- 最適と考えられる加工条件の選択
- 実機条件を想定した事前のシート評価により無駄のない実機試作計画
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- ロール評価
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- ロール搬送性の原反位置、ライン速度、温度、テンション依存性確認
- 処理したサンプルの加熱収縮率測定
- シート検討結果をベースに熱収縮特性を微調整
- 暗室テーブルで平面性、スクラッチ傷評価
- 抵抗値、光学特性など、顧客の品質管理項目評価
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- ロール仕上
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- 最適条件にて長尺サンプル作成